2022年新しいことをするシリーズ第13回。
今回は一人で手作りクッキー教室に参加した話。
ふと見た掲示板
とある出勤日のこと。
その日は、いつも通り仕事が忙しくく、休憩スペースでぼーっとしていた。
休憩スペースには何にもない。
うちの会社はセキュリティの観点からオフィスにスマホを持ち込めないので、いつもスマホをロッカーに入れている。
休憩スペースに持ち込むことは可能だが、ロッカーから取り出すのも面倒なので手ぶらだった。
何もすることもなく退屈なので、ふと壁の掲示板を眺めた。
タイトルは「手作りクッキー教室の開催」
よく労働組合が組合員の交流目的で、遠足やアクティビティを企画しているが、今回は手作りクッキー教室を企画するらしい。
いつもは興味ないと思ってスルーしているのだが、この日はなんとなく目に留まった。
ちょっくら参加してみる?
別にクッキー作りに特段興味があるわけではなかったが、話(ブログ)のネタになりそうだ。
料理自体嫌いじゃないし、お菓子は使ったことがない。
ということで申し込むことにした。
勇気の参加表明
労働組合にメールして参加を申し込むわけだが、ここで躊躇した。
これって一人で申し込むもん?
同期とか誘って複数で申し込むのが普通では?
私にも誘えそうな同期の友人はいたが、コロナで最近会えていないので、なんか誘いづらい。
「久しぶり!クッキー教室行かない!?」
いやー、唐突すぎる。
なんか前置きが必要じゃないか。
「久しぶり!元気してる?クッキー教室行かない!?」
いやー、ない。
何が「元気してる?」だ。ここ数年元気がなかったのは私の方だ。(私が休職を繰り返していたことは同期皆知っている)
考えすぎな気はしたが、なんか面倒なので、一人で申し込むことにした。
えいや、と勢いで申し込んだ。
掲示板には「定員は10名、応募が多かった場合は抽選」と書いてあったので、いっそ落ちてくれ、と思う気持ちもあった。
「チャレンジしたけど抽選で落ちたのなら仕方ない。自分は悪くない。」と言い訳できる。
数日後、労働組合からメールが届いた。
「当選したのでご参加ください」
ドキドキの参加
クッキー教室当日。
クッキー教室は、定時後に会社そばにある関係会社の食品工場で開催される。
いつもうちの会社に納品するお弁当を作っている工場だ。
仕事を終え、集合場所に向かう。
緊張する。
一人で参加しているのが自分だけだったらどうしよう。
男性で参加しているのが自分だけだったらどうしよう。
私は"浮く"のが苦手だ。
「うわー、あの人、男一人で参加してる〜!寂しい〜!!」
こう思われないだろうか。
この日エプロンを持参するよう言われていたので、エプロンを持っていない私は事前に100均で買った。
これがまた"浮か"ないか心配になる。
「うわー、あの人のエプロンちゃっちくない?」
こう思われないだろうか。
いろいろ思いながらもブッチするのは人として最低なので現場に向かった。
集合場所に着くと労働組合の人が暖かく迎えてくれた。
相席
工場内の一室に案内された。
参加者は自分入れて6人。
抽選どころか定員割れじゃねーか。
他の参加者は、
自分より若そうな男子グループ3人。
若い女性が1人。
少々年配の女性が1人。
男子グループがキャッキャしていて若干のアウェイ感はあったが、単独参加は自分だけではないのでそこは安心。
荷物を置いてエプロンを着けたところで、組合の人にキッチンに案内される。
「では、あなたはあちらの台でお願いします」
なんと、単独参加の若い女性と同じ台にされてしまった。
コミュ障の自分に若い女性は荷が重い。
年配の女性の方が緊張しなくていいのに(失礼)
若い女性に「よろしくお願いします」と挨拶されたので慌てて、「よ、よろしくお願いします」と返した(ただし、相手の目は見れない)
……。
ここからどうしよう。
どう会話をするべきなのか。
そもそも会話をするべきなのか。
そんなことを思っていたら向こうから、
「お名前伺ってもいいですか?」
と聞かれた。
そうか、こういうとき名前を名乗るのかと思いながら名乗り、相手の名前も聞く。
ついでに何年目の社員か聞いたら、まだ一年目らしい。
どうりでキラキラしたオーラを纏っているわけだ。
自分も一年目の頃はそんな目をしていたよ。
その人の部署には私の同期がいるので、その話題をして時間を稼ぐ。
向こうの気遣いに救われながらもなんとか会話を続けているうちにクッキー教室が始まった。
料理番組でよく見る演出
今回のクッキー教室で作るのは、アイスボックスクッキーとスノーボール。
これ「アイスボックス」って言うのねとちょっとした学び。
講師の人から現れて説明。
「一からやっていると、到底終わらないので、今日は生地を私達の方で作っておきました」
うおーーい!
そこ一番大事なとこなのでは!
まあ、時間が限られているというのはごもっともなのでしょうがない。
予め用意されていた生地を切る。
アイスボックスは切って焼くだけ。
スノーボールは切って丸める。そして焼く。
失敗のしようがない至極簡単な作業。
ちなみに、作業に集中しているフリをして女性とはあまり話さなかった。
焼いている間に、今回省略した生地づくりを講師が実演してくれた。
めっちゃ砂糖使うやん。
ドバドバかけるやん。
ダイエット中の自分からするとドン引きな量だったが、そもそもダイエット中の人間はクッキー教室に参加するなという話である。
生地づくりを少し体験させてもらったが意外と難しい。
混ぜ方にコツがいる。
体験させてもらってよかった。
そうこうしているうちにクッキーが焼けた。
一つ手にとってみて食べてみた。
美味い!!
残りは持って帰る。
包装紙を用意してくれていた。
サプライズ
家に帰ると、妻は飲み会らしくまだ帰っていなかった。
とりあえずダイニングテーブルに置いておく。
しばらくすると妻が帰ってきた。
私「ちょっとテーブルのアレ見てよ」
妻「え、何これどうしたの?」
私「私が作りました」
妻「ええー!!すごーい!!」
めっちゃ驚かれた。
ということでその場で食べた。
こんな感じ。
これがアイスボックス。
これがスノーボール(なんか大福みたいになってしまった)
めちゃくちゃ驚かれ、喜ばれたので、とてもよかった。
新しいことに挑戦するのは悪くない。