本気で悩んでいるときに人から言われて嫌だったこと~ストレス発散~

半年前に適応障害になった。

 

適応障害と診断され会社を休職することになる前、仕事のことで本気で思い悩んでいるときに人から言われて嫌だったことがいくつかある。

 

今回は、

 

「何かストレス発散できることをやってみたら?」

 

について述べる。

 

「ストレス発散が万能薬」という風潮

私は仕事が理由で適応障害になり、休職することになったのだが、当然のことながら、ある日突然、前触れもなく会社に来なくなったわけではない。

 

何か月も思い悩み、苦しんだ結果、適応障害となったのだ。

当然、会社でも常に元気がなく、様子がおかしいと何人からも心配された。

 

自分でも苦しんでいることは自覚しており、周りの友人や先輩などに相談した。

 

しかし、あまり効果的なアドバイスをもらうことはできなかった。

 

大抵の人は良かれと思ってこう言うのである。

 

 

何かストレス発散できることをやってみたら?

 

何度このフレーズを聞いたかわからない。

 

 

世の中には、

 

「ストレスが溜まると、ストレス発散をするべきだ」

 

という考え方が浸透している。

 

 

具体的には、運動をしたり、映画を見たりといった、自分の好きなことに打ち込むというものだ。

 

確かにこれは間違いではないと思う。

否定はしない。

 

しかし、私は「ストレス発散が万能薬」みたいな考え方には異を唱えたい。

 

そんなこと言われなくてもとっくにやっている

ストレス発散を提案されたときに、まず第一に思うのは、

 

 

 

そんなこと言われずとも、とっくにやっとるわ!!

 

 

 

「ストレス発散が万能薬」という風潮。

世間で驚くほど浸透している。

 

当然ながら私も知っている。

 

これだけ思い悩んでいるのだからとっくに行動に移している。

 

運動もした。映画も見た。スーパー銭湯にも行った。

 

それでも悩んでいるのだ。

 

苦しんでいるのだ。

 

ストレスにはレベルがある

ここで一度考えてもらいたい。

 

あなたの友人が、

「今日は仕事でとても疲れた」

と言っている。

 

あなたは彼になんて言うだろうか。

 

おそらく、大抵の人は

「今日は早く寝てしっかり休んだ方がいいよ」

と言うのではないだろうか。

 

疲労を回復する最適な手段は睡眠なのだから、当然である。

 

 

今度は、別の友人が

「車に引かれて足が痛い」

と言っている。

 

あなたは彼になんて言うだろうか。

 

おそらく、大抵の人は

「病院に行って一度診てもらった方がいいよ」

と言うのではないだろうか。

 

ここで足を怪我している友人にも、

「今日は早く寝てしっかり休んだ方がいいよ」

とは言わないだろう。

 

そうなのだ。

 

彼は骨が折れているのかもしれない。

睡眠をとったところで折れてしまっている骨がくっつくわけではない。

 

こんなことは常識である。

 

精神面も同じなのだ。

 

運動したり、映画を見たりするという"ストレス発散"は、あくまでも精神的疲労を回復する手段であり、精神的な傷を治癒させる力はないのだ。

 

もう私は心が怪我しているのである。

 

疲労というレベルではないのだ。

 

思い悩んでいるこの性格を変える方法や、悩みを気にしなくて済むような気の持ち方といった、効果的な手術や特効薬を求めているのだ。

 

 

さらに別の友人を考えてもらいたい。

 

彼はよく仕事場で転んで怪我をする。

彼の仕事場の床を見ると水浸しで滑りやすい。

 

あなたは彼を見て、どうすべきだと思うだろうか。

 

おそらく、大抵の人は

「床を綺麗にして、すべりにくくするべきだ」

と言うだろう。

 

ここで、

「怪我をしやすいのなら塗り薬や湿布をたくさんあげよう」

なんて思う人はいないだろう。

 

心の問題も同じである。

 

一番の解決手段は根本的な問題を取り除くことである。

 

運動したり、映画を見たりするという睡眠をとっても、自分の性格を見つめ直したり、気の持ち方を変えたりという薬を飲んでも、その場しのぎでしかない。

 

根本的な問題が解決していないのだから、また怪我をするのだ。

 

相談しているとき、一番求めているのは、根本的な解決策なのである。

 

 

こんなのは一見当たり前なのだが、なぜか心の問題になるとみんな口をそろえて「ストレス発散しよう」と言うのである。

 

 

もちろん悪気があって言っているわけではないのはわかっている。

 

だからこそ、やり場のない気持ちを抱え、苦しんでいるという気持ちをわかってもらいたい。