本格的に夏がやってきた。
暑がりで夏が嫌いな私は憂鬱である。
今年の夏はより一層暑くなるらしい。
毎年、「今年こそはなんとか涼しく過ごせないか」と考えている。
ここ数年ミニ扇風機を持ち歩く人が増えた。
素晴らしい。
欲を言えばもっと前から流行らせてほしかった。
私はまだミニ扇風機を持っていないので、買おうか迷っている。
もちろん首掛けタイプ。手持ちタイプは間違いなく機能性悪いはずなのに、あれ使ってる人はなんなんだろうね。
しかし、ミニ扇風機も弱点があると聞いた。
夏本番の頃には温風が吹くだけなので大して涼しくないというのだ。
たしかに気温が36度を超えているような日は体温より温かい風が襲ってくるわけだから、むしろ体に熱を与えることになってしまう。
最近はさらに特殊な素子(ペルチェ素子)を使って体温を電気エネルギーに変換して逃がすものも出てきた。
金属プレートみたいなものを首に当てて、熱を奪い続けるようである。
すごく気になるし、欲しいのだが、これはいかんせん情報が少ない。
ネットのレビューも成熟しきっていない感がある。
今買うのは危険。詐欺商品を購入する可能性があると判断した。
そんなことを思っていると無印良品でこんなものを見つけた。
ネッククーラー。
たしか1500円くらいだった気がする。
これは平たく言えば保冷剤を輪っか状にしたものだが、一般の保冷剤と違うのは、中の物質が特殊なもので凝固点(融点)が28℃であるということだ。
ここからは化学、いや理科の話。
基本的に固体に熱を与えると温度が上昇するが、融点に達すると熱は温度上昇ではなく、状態変化に使われるので、その間は熱を与えても温度は維持される。
そして完全に融けきるとまた温度が上がっていく。
一般的に保冷剤の中の物質は0℃付近に融点が設定してあるので、融けきるまではキンキンに冷えている。
このネッククーラーの融点は28℃なので、首周りに巻くと体から熱を奪っていくがしばらくの間28℃をキープしてくれるのだ。
28℃というと決して低くはなく一般の保冷剤ほど冷たくないので、これがとても気持ちがいいかというと人それぞれだと思う。
私も実際に最近付けているが、じわじわと熱を奪われている感覚はあるものの即効性は感じない。
例えるなら、室内で金属のものに触れたときにひんやりするだろうがあれと同じ程度だ。室内の金属のものは触れ続けるとすぐに温度が上がってしまうが、これは触り続けてもしばらくは28℃にキープされるのが異なる
この28℃というのは、利点もある。
常温で凍るのだ。
エアコンの効いた部屋にしばらく置いておいただけで凍る。
水道水をかけ続けると数分でカチコチになる。
冷凍庫に入れると一瞬だろう。
つまり、出先でも再び凍らせることができるのだ。
一般の保冷剤ならそうはいかない。出先で冷凍庫を使用することはできない。
これが一番のメリットである。
もう一つメリットとしてあるのは、結露しないことだ。
28℃という微妙な温度なので、結露して首周りが水滴まみれになることはない。
これは濡れタオルとの大きな差別化である。
一方、欠点はもある。
まず、既に書いたが、めちゃくちゃ冷たいわけではない。
「うーん、熱を奪われているような気がする」程度なので物足りない人も多いと思う。
キンキンを求めるものではない。
もう一つの欠点は、わりと目立つこと。
まだこのタイプのネッククーラーは浸透してないので、好奇の目で見られる。
少なくとも友人からは絶対に聞かれる。
傍から見ると、首輪を付けているように見える。主人に背いたら締められそう。
まあしょせん1500円程度なので、気になる方はどうぞ。