今年のふるさと納税
休みの日に妻と今年のふるさと納税をしておこうかという話になった。年末になると欲しい返礼品が品切れになっているケースもある。今のうちにしておこうと思ったのだ。
その前に、念のため去年のふるさと納税がちゃんと住民税から引かれているか確認しとくかー、と思い住民税決定通知書を見ると、
一致しない。
私の納税額よりも低い金額が寄付金額として書かれていた。 もちろんふるさと納税の寄付金額から2000円引いた額が寄付金控除になるのは知っている。 しかし、2000円どころか10000円ほど低い。
まさか…寄付しすぎた!? 勢い余って多めに寄付してしまったということか?
そう思ってふるさと納税サイトをいくつか巡り、簡易計算ツールを叩いたがそんなことはなさそうだった。寄付し過ぎを避けるため枠ギリギリまで納税したわけではなく少し余裕を持たせていた。
じゃあなんだ?ふとアレが頭をよぎった。
確定申告か…?
私は今年の2月に確定申告をしていた。e-Taxはウンコシステムだとボロカスに批判したのが記憶に新しい。ふるさと納税も申告したはずだが何か手続きを失敗したのだろうか。
区役所に電話
いろいろネットで調べたところ、ふるさと納税の金額が合わないときは役所に電話するのが良いらしい。たまに役所側でミスをしていることもあるとのこと。
平日に時間を作って区役所の住民税窓口に電話した。電話はすぐに繋がった。
役所の人「どうしましたか?」
私「ア、アノッ、ふるさと納税の金額が合わなくってェ…」
役所の人「申告はされていますか?」
私「ハイ…確定申告でやったと思うんですケド…」
役所の人「それでは確認しますね…。たしかに確定申告されているようですね。寄付金額は◯◯円ですね。」
その金額は私が寄付した金額と一致した。ではなぜ決定通知書の金額と異なるのか。
役所の人「確定申告で住宅ローン減税申請されてますよね?まずは所得税から〜〜で、そこから〜〜となるので〜(よくわからない日本語)」
どうやら確定申告の住宅ローン減税との合わせ技によってこの数値が変わってくるらしいのだ。所得税と住民税の控除がうんたらかんたらである。よかった、私は問題なかった、と安堵していたら、
役所の人「一応、確定申告の内容確認してみますね…えーっと…ふむふむ…あっ…」
「あっ…」って何だ。何かやっちまったのか…?と思っていたら衝撃の事実を知らされた。
役所の人「所得が入力されてないですね…所得が入力されていないので、所得税から減税しようにもそもそも所得税がないことになってます。」
なんと私は、申告書のうえでは所得がないくせに所得税減税をしてもらおうとしていることになっているらしい。
役所の人「おそらくこれだと住宅ローン減税の還付うけられないですね。これは税務署の管轄なのでこちらではどうすることもできないのですが、早急に税務署にご連絡をされることをオススメします」
役所の人は優しい。管轄外なのにこんな阿呆のために税務署の電話番号まで教えてくれた。私はお礼を言って電話を切った。
税務署に電話
すぐさま税務署に電話した。どうやら税務署の窓口は混み合っているようで、担当者とつながるまでしばらく待ってもらうと言われた。
内心「確定申告うまくいってないなら言ってよ」という気持ちだった。もちろん申告する人間によって状況は様々であり、「うまく申告できている」の判定が難しいのはわかる。だけど、ユーザーがミスをしないようなシステムを設計すべきではないだろうか。一応、税務署には確定申告用のチャットボットが存在するが、これは専門用語オンパレードの「確定申告慣れ」してる人しか理解できない。
しばらくして担当者に繋がった。私はここまでの経緯を丁寧に説明した。
税務署の人「それでは確認しますね…。はい、たしかに所得がゼロですね。」
私「ヒィ…」
税務署の人「あと、ふるさと納税も申告できていないようです」
私「ハヒッ…!?」
あれ?ふるさと納税も申告できていないの??なんで区役所の人は把握してたの?世の中はわからないことでいっぱいだ。
結局どうなるのだろうか。住宅ローン減税とふるさと納税はなかったことになるのか?
ふるさと納税はまだいい。全額寄付金になるのはキツいものがあるが私のポケットマネーで地方活性化でもしてくれ。
でも住宅ローン減税が適用されないのは困る。私の住宅ローン減税は13年続くのだ。それもそれなりの額である。(詳細は書かないが毎年立派なドラム式洗濯機が買えるくらいの額だ)
しかもこの確定申告は妻も同じ内容で行っている。二人で同じように申請したのだから当然そっちもできていないはずだ。
私はおそるおそる聞いた。
私「アッ、アノッ、私の住宅ローン減税はもう手遅れってことでしょうか…?」
税務署の人「あ、大丈夫ですよ。確定申告は5年分は遡ることが可能なので、住宅ローン減税もふるさと納税も大丈夫です。」
私「ウッ、ウゥ…ありがとうございます…」
税務署は優しい。ミスってもやり直しがきくのだ。人生と一緒だ。
税務署
そして今日、私は税務署に行ってきた。確定申告をやり直すために。
正確には「更生手続」と呼ばれる「不備があったので修正します」という手続きで、これもe-Taxで可能だ。
でもまたあの脱出ゲームのようなe-Taxのサイトに潜り込んで、新たな手続きをするのは到底不可能に思えた。予約さえすれば税務署で職員さんに教えてもらいながらできるらしいので、大人しくそうすることにした。
今日は午後半休を取り、用意するよう言われた書類を揃えて、税務署に行ってきた。今日は仕事が溜まっていたが知ったことではない。こっちの方が時給が高い。
もう9月下旬になるというのに猛暑日で、汗だくになりながら自転車を漕いで税務署に着いた。
予約の時間より数十分早く着いてしまったが、すぐに対応してもらえることになった。
税務署に行くのは初めてで、中を歩く人はみんなお堅い感じの人で難しい言葉を喋っていたが、私を担当してくださる方は私より若そうな大人しい感じの女性だった。
手続きのやり方を丁寧に説明してもらい、こちらの疑問にも優しく教えてもらった。
気付いたら手続きが完了していた。私は妻のマイナンバーカードを預かっていたので、妻の分も一緒にしてもらった。
あっという間に終わった。
あのわけのわからないe-Taxは何だったのか。たしかに家で申告できるのは楽かもしれない。でも、(税務署の職員からしたら大変かもしれないが、)私のような素人は税務署に行ったほうが早いと思ってしまった。
バカとブスは税務署に行け。
税務署の職員さん、本当にありがとうございました。