どうでいい思い出を振り返る〜すき家なか卯論争〜

ふとどうでもいい思い出を書きたくなった。

 

 

桜の降る夜に牛丼を

2012年春、無事大学に合格した私は念願の上京を果たした。

 

人の量、言葉遣い、何もかもが違う街に心昂っていた。

都市の空気は人を自由にする。

 

そんな私を出迎えるかのようにその店は立っていた。

 

 

なか卯である。

 

 

地元で見ることのないお店だった。(知らなかっただけで本当はある)

 

東京の人間はどうやらここで牛丼を食べるらしい。

 

安い。早い。うまい。

 

さすが東京である。何もかもを兼ね備えている。

 

 

しかし、問題がただ一つあった。

 

そのなか卯のお店の真横にすき家が立っていたのだ。

 

 

誰のための戦いなのか

そのなか卯の真横にすき家が立っていた。

路地を一本挟んで真横とかではない。

一寸の隙間もない真横に立っていたのだ。

 

地方の田舎者でもすき家は知っていた。

牛丼界のトップランカーである。

 

これはあんまりじゃあないか。

 

都会では生き抜くのも大変なのか。

 

そんな感想を抱いていたが、しばらくして私は衝撃の事実を思い知った。

 

 

すき家なか卯も同じゼンショーホールディングスだということ。

 

なんということだ。

 

牛丼界の熾烈な覇権争いかと思っていたが、家族喧嘩だったのか。

 

ゼンショーホールディングスも決して一枚岩ではないのかもしれない。

もしかすると、内部ですき家派閥となか卯派閥があって、次のトップをどちらにするかの代理戦争がそこで行われていたのかもしれない。

 

 

かつては同じ夢を語り合った者たち

そんな事情があったかどうかはわからないが、客目線では「どっち派か論争」生まれていたに違いない。

 

実際私の周辺でもその論争はあった。

すき家派、なか卯派に分かれていた。

 

しかし、私はどちらにもつかなかった。

両方の店舗に同じくらいの頻度で通っていた。

 

 

同じ志を持つ者が争いあう世の中なんてあんまりではないか。

 

両者には仲良く高め合ってほしい。

 

そしていつか彼らの夢である「神の牛丼」を作り上げてほしい。

 

 

 

 

※両店舗はエリア再開発のため潰れました。現在はありません。