ハワイ旅行記①

今日は2023年12月31日。
晦日ということで街を歩く人々はどこか浮ついたような雰囲気で、世間の人々が同じ感覚を共有しているようなこの空気感がどこか好きだ。

年が変わる前に今年の大きな思い出の一つであるハワイ旅行をまとめておきたい。
さすがに年をまたぐと、”過去”のものになってしまうような感じがする。


きっかけは義母の提案

事の始まりは5月。
大型連休が明け、在宅勤務をするべく、いつも通り起きた。
妻も同じタイミングで起きており、ぼーっと朝の情報番組を見ながらダイニングで食事をとっていた。

 

妻の電話が鳴った。
電話の主は義母(要するに妻の母)だった。

妻と義母は大の仲良しで、ほぼ毎日電話をして、日々の愚痴や好きなアイドルの話を共有している。

「また何かK-POPアイドルの話でもしているのか」と私は思っていたが、
電話が切れた後、妻が言った。

 

「ねえねえ、みんなでハワイに行かない??」

 

提案の意図

私は妻のいきなりの提案に戸惑った。

ハワイ??みんな??

妻は突拍子のないことをよく言いがちで、それ自体には慣れているが、さすがに理解ができなかった。

ハワイってどういうこと??「みんな」って誰だ??

 

妻の話を聞くに、
どうやら義母が朝テレビを見ていると、
情報番組で「GWどこに行きましたか?」という世間の人々へのインタビューが流れており、そこでハワイに行った人が出てきてうらやましくなり、思わず妻に電話したらしい。

妻もノリノリになったようで、せっかくなら義家族と私達でハワイ旅行をしたいとのことだった。

ここで「義家族」とは誰かというと、
義父、義母、義弟に加え、義祖父母(母方)
の5名である。

 

ここで普通の人なら「え、それ気を遣うし、大変そう…」と思うだろう。

しかし、私はそう思わなかった。

 

いいんじゃない?行こうよ。

 

と返事を出した。

 

義家族との関係

結婚相手の家族との関係はうまくいかない人は多いと思う。

よく「嫁姑問題」などと言われるのもそれだ。

本当に幸せなことに私は義理の家族ととても良好な関係を築けている。

(むしろ自分の家族との関係の方が悪い)

義理の家族は私のことをとても慕ってもらっている。

なぜか私のことを「すごい人」と思っているらしく、謎の敬意すら持たれている。

近くに住んでいるということもあり、普段の生活では私達をいろいろと助けてくれる。
(私達の家、義両親の家、義祖父母の家は同じ街にあり、徒歩圏内である)

私達の結婚時にはお祝いとして家具や家電を買ってくれたし、買い物に行くときには車を出してくれる。

いろいろと助けてくれるものの、口出しは一切せず、一定の距離よりは近づき過ぎないという配慮すら持っているのが感じられて、そういう意味でも私からしてもありがたい。

イベントごとには必ず私を誘ってくれて、家族の一員として扱ってくれる。

家族関係がとても良く、両親の仲が悪かった私としては、「暖かい家庭」というものに入れてもらえてとても幸せな時間である。

そんな関係なので、義家族とのハワイ旅行は何も嫌ではなかった。

むしろ「このメンバーで言ったら絶対面白いなと思ってしまった。

 

すんなり決まる計画

改めてメンバーは、
私達夫婦、義両親、義弟、義祖父母
の7人ということで、なかなかの大所帯である。

 

旅行で一番大変なのは実は計画の段階である。

どういうプランにするか、いつにするか、全員の予定は確保できるのか。

こういったところで幹事は苦労させられるが、これがびっくりすることにすんなりと決まった。

 

朝の義母の発言をきっかけに、妻が在宅勤務の合間にネットで調べ、(←多分これは仕事をしていない)

旅行代理店の良さげなプランを見つけてきた。

羽田発のホノルル行きJAL直通便。

それもお手頃な価格だった。

 

コロナ禍も収まりつつあり、旅行業界が需要を取り戻そうとやっきになっていたこと、

東京ーホノルルはドル箱路線であることから、とても良い条件のプランだった。

そして、あまり海外旅行が好きでない義祖父母がなぜか二つ返事で「行きたい」と言ったことも大きかった。

昔ハワイに行ったことがあり、もう一度ハワイに行ってみたいと思っていたらしい。

仕事が忙しいはずの義父も義弟も即快諾だった。

どうやら後々話を聞くに、皆同じことを考えていたらしい。

「このような機会は次あるとは限らない」

ということ。

義祖父母は70代で少しずつ体が弱ってきている。

私達夫婦は結婚して2年。同年代の夫婦は子供ができているような年齢である。

今後行きたいと思ってもこのメンバー全員が行ける状態ではないかもしれない。

そのような思いを皆が抱いていたらしく、全員の意思が一致した。

正直言うと、1ドル150円というとんでもない円安の時期に海外旅行に行くなんて賢い選択ではない。

だが、人生で一番重要なのはお金ではなく、タイミングである。
(これはここ数年で私が強く感じるようになったことだ)

ということでその日のうちに9月の半ばにハワイに行くことが決定した。

 

旅行までの時間

旅行が決まったのが5月。旅行の時期は9月。
4カ月の間があった。

私はせっかくこれだけの時間があるなら、ハワイの勉強をしようと思った。

私はハワイには行ったことがなく、せっかくなら現地のことを勉強してから行った方がより一層楽しめるのではないかと思ったのだ。

 

そして面白いHPを見つけた。

www.aloha-program.com


これはハワイ州観光局が公式に行っている「ハワイスペシャリスト検定」というもの。

もともとハワイは日本とのつながりが強く、日系移民や日本人観光客も多いということで、このような検定が日本人向けに作られている。

初級・中級・上級と分かれており、有料かつ内容を見るに普通に難しい。

せっかくなのでこれを受けることにした。

 

そして受かった。ハワイスペシャリスト上級。

それなりに難しかったので、かなり勉強した。

行ったこともないハワイという地域や文化にとても詳しくなった。

 

前夜祭

気が付くと、あっという間に時が経ち、9月。

 

ハワイ旅行前日。

私達は義両親の家に集合した。

 

旅行の全体の流れや持ち物の確認をした後、義母と妻が全員にあるものを配り始めた。

アロハシャツだった。

 

「旅の間はずっとこれを着てもらいますからねっ!」

 

このためにわざわざちゃんとしたアロハシャツ(お土産用の安っぽいものではない)をレンタルしたらしい。

 

め、めちゃくちゃ気合い入っている…!!

 

空港までの道乗りも着用義務とのことで、いかにも「ハワイ旅行に家族で行ってきます」感が出て、気恥ずかしさがあったのは事実だ。

だが、その恥ずかしさのスイッチは消すことにした。

ここで、「恥ずかしいから僕はいいです」はダサい。

いっそハッちゃけた方が楽しい。

別に誰かに迷惑をかけるわけではないから何も問題はないのだ。

 

(続く)