D・カーネギーの「道は開ける」を読んで自分なりに感想を述べていく。
今日は、
Part3 悩みの習慣を早期に断つ方法
3.4 避けられない運命には調子を合わせる
を読む。
変えられないことを受け入れる
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筆者は幼いころにちょっとしたアクシデントで左手の人差し指を失った。
しかし、彼の生活において、自分の人差し指がないことを実感するのは月に一度程度だという。
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人生には嫌でも避けられないことというのは必ずある。
それに対して、素直に受け入れるのか、反発するのかは個人の自由だ。
しかし、反発することで得られるものはなく、待っているのは神経衰弱や胃潰瘍である。
どうすることもできないことに抵抗するというのは、それだけ大きなエネルギーを無駄遣いしているということだ。
抵抗するのをやめ、受け入れたら、人生はもっと豊かになる。
本項では、戦争で家族を失った女性の話や、事故で脚を切断した女性の話、戦時中爆薬の監視任務にあたった男性の話が挙げられる。
どの人も自分の運命を受け入れることで人生を明るく豊かなものへとした。
雪国で生き残ることができるのは、強く真っすぐな樫の木ではなく、枝を曲げて垂らす柳の木なのだ。
耐えがたい運命であろうと、それを受け入れることができるくらい人間は強靭だ。
ただし、決して人生の嫌なこと全てに屈しろと言っているわけではない。
変えられないことは受け入れ、変えられることには徹底的に立ち向かっていくことが大事なのである。
悩みの習慣を断ち切る第4の鉄則は、
変えられないことと変えられることを区別し、変えられないことを受け入れること
である。
感想 ~何でも自分の思い通りになるわけではない~
「プラダを着た悪魔という映画」がある。
この映画は、もともとファッションに全く関心のなかった女性が、ニューヨークのファッション業界のトップ編集者のもとで働くことになり、無茶苦茶な上司のもと必死に仕事をしていく、というストーリーである。
この映画の主人公は、最初は無茶苦茶な要求をする上司に反発していた。
しかし、それでもなんとか仕事に打ち込んでいくうちに、上司や周囲の人から認められ、成功していく。
たしかに、人生で成功する秘訣とは、この主人公のように、変えられない環境に反発するのではなく、いかに向き合っていくかなのかもしれない。
職場環境なんてものは、"変えられないもの"のオンパレードである。
上司や職場の人間、職場の立地、給料、待遇など自分の裁量や判断で選べるものではない。
(もちろん、転職等で変えられるものはあるがガチャ要素は少なからずある)
私はしょっちゅう職場の理不尽な要求や非効率な業務にイライラしていた。
働きはじめはとりわけそういったものに目がつきやすいものである。
私は自分の正義感に反するものにはイライラしてしまう人間なので、本当にストレスフルであった。
しかし、そういったことの大半は"変えられない"ものであり、エネルギーの無駄遣いをしていた。
これからは"変えられるもの"か"変えられないもの”かどうかの区別を行い、前者にエネルギーを注ぎたい。
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余談だが、私は「プラダを着た悪魔」という映画はそこまで好きではない。
なぜなら、たしかに数々の理不尽に反発せず仕事に打ち込んだ主人公はえらいのだが、問題の原因である上司の理不尽な要求の是非に触れられていないからである。
理不尽なことはいっぱいあるけど、頑張っていたらいつかまわりから認められるようになりますよー、というのはたしかにそうだと思うし、励みになる。
しかし、根本原因である、理不尽な要求をする上司を悪としていないのが寂しい。
部下が理不尽に反発せずに業務に打ち込むことより、上司が理不尽な要求をやめることの方がみんなハッピーになりませんか?と思ってしまう。
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