GWの間に一冊本を読んだ。
「銃・病原菌・鉄 下巻」である。
この本は「世界史 本」で検索するとよく出てくる有名な本である。
上巻を読んでしばらく放置していたのだが、満を持して下巻を読んだ。
感想は一言で言うと、
歴史の見方が変わった。
大げさに聞こえるかもしれないが、本当にそう感じた。
これは教養が身に着く名著である。
この本がどういう本かと言うと、ズバリ”歴史を大局的に語る本”である。
世界史の授業は、「○○年に××が△△した」といった、一つ一つの出来事を追っていく形で学んでいく。
しかし、この本はそのような出来事ベースのミクロな見方をしない。
この本では、
・なぜ現在、世界の中心は欧米諸国なのか。
・欧米諸国が世界の中心となったのは、偶然なのか。必然なのか。
・欧米諸国が世界の中心となった究極的理由は何か。
こういったマクロな視野で歴史を語る。
コロンブスがアメリカ大陸を"発見"して以降、欧州諸国がアメリカ大陸に侵入していった。
そしてスペインとインカ帝国が衝突した結果、インカ帝国はスペインに敗れ、滅んでしまった。
なぜインカ帝国はスペインに勝てなかったのか。
"直接的な原因"は
・銃を持っていなかったこと
・病原菌への耐性を持っていなかったこと
・鉄を持っていなかったこと
である。
これがこの本のタイトルにもなっている「銃・病原菌・鉄」である。
しかし、これらは"直接的な原因"であって"究極的な原因"ではない。
なぜ、新大陸の人間は「銃・病原菌・鉄」を持っていなかったのか。
人類の1万3000年の歴史の中で、何がこのような差を生んだのか。
これが"究極的な原因"である。
この本では、この"究極的な原因"を探るべく、食糧生産、言語、地理的環境など様々な視野から人類の歴史を探っていく。
読んでいくうちに、(最初はなかなか退屈に感じられるが)この"究極的な原因"がわかっていく。
下巻の最終章は、それまでの全てがつながって、なんともアツい展開だった。
この本を読み終わって、もう一度世界史を勉強し直したいと思う。
間違いなく今までとは違って見えるだろう。