今年の5月に結婚式を挙げる。
今は準備の真っ只中。
その裏話を少し書く。
招待状をWebにした
結婚式の準備の中に招待状というものがある。
私は常々この招待状というものが嫌いだ。
まず、招待状を送るためにゲストに住所を聞く。
聞いた住所宛に招待状を送る。
招待状を受け取ったゲストが出欠を書いて返信する。
返信を受け取る。
出欠を集計する。
だるくない?
っていうか、最初に住所聞いた時点で、一緒に出欠聞けば良くない?
そして招待状はポストに投函ではなく、郵便局で直接お願いする必要があるらしい(念のため)
作業に無駄が多い。
次に、地味にお金がかかる。
紙代、印刷代、郵送代、返信代、もろもろで一通あたり1000円近くかかる。
ゲスト60人呼ぶとしたら6万円である。
結婚式には莫大なお金がかかるので感覚が麻痺するが立派な金額である。
2人でちょっとした国内旅行できてしまう。
結婚式はちまちま課金していくシステムなので、削る意志を強く持たないと費用がどえらいことになる。
こういった作業や金の無駄を解決する手段がある。
Web招待状だ。
Web招待状なら郵送しなくていいので、私達もゲストも楽である。
わざわざ「ご出席」を二重線で「出席」にする必要もない。
しかもWeb招待状は無料なのだ。
すごいサービスである。
今回私達はWeb招待状にすることにした。
それを式場のペーパーコンシェルジュに伝えたら驚かれた。
まだその式場でWeb招待状にした人をいないらしい。
こっちとしてはそれに驚いたが、"ペーパーコンシェルジュ"なんていう専門の役職を設けている人達からすれば、紙の招待状以外の発想がないのかもしれない。
「私が結婚式を挙げたときは、招待状の返信のメッセージにすごく感動して今も時折見返しているくらいです。でも、そうですね、Web招待状というのが出てくるのは、時代なのかもしれないですね」
なんてことを言われた。
私達よりほんの少し年上くらいのペーパーコンシェルジュに"時代"と言われたのは違和感を覚えたが、反対されたわけではないので、Web招待状で押し切った。
オンラインご祝儀
Web招待状のおまけのメリットとして、ご祝儀をオンライン決済にすることができるというのがある。
決済手数料を取られてしまうが、ゲストの方々がわざわざ新札を用意しなくてもいいし、当日受付係の作業が楽になる。
当然オンライン決済を導入しようとしたが、式場にやんわり反対された。
理由は、「オンラインと手渡しが混在すると当日の受付係が混乱するから」らしい。
気持ちはわからなくもないが、こちらとしては受付係の負担を減らそうとした結果なのに。
世の中、新しい技術を導入しようとすると必ず反対する人間がいるが、まさにこういうことなんだな、と思った。
ここでゴネて式場からの心象を悪くするのもよくないし、うっかりWeb招待状の作成締切を過ぎてしまい迷惑をかけていたので、抵抗しないことにした。
誰を呼ぶか問題
ここからとても野暮な話を書く。
読む人によっては気分を悪くするようなことかもしれないが、この記事の対象読者に該当する人はいないので、書くことにした。
招待状を出すうえで、というより結婚式を挙げるうえでとても悩ましい問題がある。
誰を呼ぶか問題である。
なぜこれを決めるのが面倒なのか。
誰を呼ぶか。これを決めるうえで、大きく二つの軸があると思っている。
誰を"呼びたいか"と"呼ぶべきか"である。
これを元に呼びたい順にカテゴライズすると以下のようになる。
①呼びたいし、呼ぶべきな人
これには親族、親友、お世話になった親しい先輩などが該当する。
この人達をまず最優先に列挙する。
②呼びたいけど、別に呼ぶ必要がない人
これには最近会ってない友人、会社の同期などが当てはまる。
人数との兼ね合いになる。
③呼びたいわけではないけど、呼ぶべきな人
これには、式のコンセプトにもよるが職場の上司や先輩などが当てはまる。
私の場合は実の父もここに該当する。
④呼びたいわけでもないし、呼ぶ必要もない人
一見するとこれに該当する人はゲストにいないように思われるが実はそうでもない。
結婚式の会場には、当然人数の制約がある。
主催する側としては、たくさんの方々に来てもらった方が"いろんな意味で"嬉しいのだが、そうもいかない。
上記の4つのカテゴリーの中からメンバー選考をしないといけない。
これがとても面倒。
まず①を最優先に考える。そして次に②といきたいところだが、③との優先順位が難しい。
どちらを優先すべきかを一言で言うことはできず、この中から一人一人吟味する必要がある。
ここを適当に決めてしまうと、呼びたいのに呼ばない人、呼ばなければならないのに呼ばない人などを生んでしまう。
前者は自分やその人にとって気持ちが良くないし、後者は失礼にあたる。
さらに④の問題も厄介である。
どういう人が当てはまるかと言えば、「○○さんを呼ぶのならこの人を呼ばないのは不自然」となる人である。
別にその人単体なら呼ばなくていいのだが、他の人との関係上、"呼ばないと変"になってしまう人だ。
私の場合、会社の同じ部署の同期などがこれに当てはまる。
他の同期を呼ぶのに彼を呼ばないのは不自然だし、露骨に仲がよくないことを言うようなものである。
呼ぶことで私もその人もハッピーになるかといえばそうではないのだが、そういう人もいるのだ。
また、ゲスト全員が上記の4つのカテゴリーに綺麗に分類されるわけではない。
当然"呼びたい"度合いや"呼ぶべき"度合いには濃淡がある。
それに更に違う軸からも考える必要がある。
本人が参加したがっているかどうか、妻が呼びたがっているか(共通の知人)、などを考えるともっと細かくカテゴライズされる。
こちらとしては呼びたいけど、向こうが参加したがっているとは限らないケースもある。(当然逆もある)
また、私は呼ばなくていいと思ったが妻が呼びたがっている共通の知人もいる。
こういったことを考えるととても頭がいたい。
これが嫌過ぎて、親族のみの式にしたり、海外での挙式にしたりした知り合いがいるが、納得である。
いざ招待するときの複雑な感情
招待状を作成し、招待する人をなんとか決めて、いざ招待状を送るとなるとやはりドキドキする。
参加したくないと思っていないだろうか。
他のゲストと気まずくならないだろうか。
いろんなことを考える。
実際招待すると、微妙なリアクションをした(ように思える)人はいた。
あまり詳しくは書かないが。
そんな中、とても喜んでくれた(ように見える)人もいた。
そういう人の反応にはとても救われる。
ホッとする。呼んでよかったのだと思わせてくれる。
そして招待状を送ってしばらくすると、次々と出席の連絡が届いた。
Web招待状なので、招待してから一瞬で届く。
返信の最後にメッセージ欄を設けていたのだが、このメッセージがとてもよい。
心からのお祝いをくれる人、ちょっとボケてくれる人、いろんな人がいて楽しい。
自分はいつも結婚式の招待状の返信は失礼がないようにテンプレ文を書いていたが、それを恥じた。
思いを込めないのが一番失礼だったことに気付いた。
結婚式を開く側になって初めてわかることがたくさんある。
今後、自分が誰かの結婚式に呼ばれることがあれば、二つ返事で笑顔で出席したい。
メッセージに思いを込めて。