私の会社(の私のいる事業所)では、新人はある研修を受ける。
研修の内容は、「1グループ10人強の複数のグループに分かれて1年間この会社にとって有益になるような試作品を提案し、実際に製造する」というもの。
実際に体験することで、会社での一通りの業務の流れを学んでもらおうという狙い。
私も新人の頃(5年前)にこの研修を受けて、それなりに良い研修だったように思う。
この研修では、さすがに新人だけで全てを進めることは難しいため、数名の先輩社員がサポート役として面倒を見ることになっている。
いわゆる"メンター"というやつ。
これに選ばれてしまい、ここ数ヶ月新人のサポート役をやっている。
私としては、休職ばかりして知識も実績もない自分が新人に教えられることなんてない、と思っているが、会社からすれば6年目社員というとそろそろ若手と言えなくなるらしい。
いざ研修が始まって、まず思ったのが、
若い!
ということ。
こんなことを言うのがもうオッサンなのだが、新人キラキラしてるわ、ほんと。
「昨日の飲み会はしゃぎすぎちゃって財布忘れちゃってさ〜」とか「今度みんなで〇〇行こうよ〜」とか話してる。
そんな様子を私は横で見ながら「こんな時期もあったな〜」と。
特に最近はコロナもあり、こういう光景が戻ってきたのは素直に喜ばしいことだと思う。
研修そのものの活動では、私は新人からの質問に答えたり、ちょくちょく議論に参加したりサポートに徹している。
私に教えられることなんてないと思っていたが、意外とそうでもなかった。
5年分の差は、その年月に見合っているかどうかは別として確実にあるようだ。
そういう意味で、私のこれまでの期間は無駄ではなかったんだなと感じた。
ただ、新人と話しているときにふと思う。
「今の自分、先輩ヅラしてるぅ〜」
と。
新人と話しているときに、
「なーに偉そうに新人に指導してんだ。お前大した実績もないだろ」
と内なる自分が話しかけてくる。
途端、恥ずかしくなる。
「すみません、この程度で偉そうにしてすみません」
と新人に言いたくなる気持ちをグッと抑える。
偉そうに新人にアドバイスしているが、研修の時間が終わり自部署の自分の席に戻ると途端に「わからないことだらけの自分」に戻るのだ。
まあそんなものだよな。
クラスでは大人しいやつが部活の後輩の前でははしゃいでいる、なんてのはよくあることだ。(過去の私だ)
誰しも所属しているコミュニティの数だけ自分が存在する。(ほとんど差のない人もいるが)
私は周囲の人間の一面しか見えていない。
テキパキ仕事をこなすクールな先輩も家では豪快なオナラをしているかもしれないし、偉そうに話してくるベテランも実はSMクラブでケツを叩かれて喜ぶ変態かもしれない。
そんなことを改めて思う日々。