父親と自分

今日はいつも行っている精神科で心理療法を受けてきた。

 

 

カウンセラーによると、通常の治療は、認知行動療法を行うらしいのだが、

 

どうやら自分の場合は、そういったことは既に自分自身で常日頃行っているから必要ないらしい。

 

ということで、イレギュラーな形であるが、

 

思いついたことをとにかく話し、それに対してカウンセラーが質問をしていく

 

というスタイルとなった。

 

 

 

思いついたこと

「何でもいいので、とにかく思いついたことを話してください」といきなり言われても困るものである。

 

何を話そうかと悩んだが、とりあえず今日仕事で感じたことを話した。

 

 

 

今日、仕事で自分の進捗を先輩社員たちに報告する場があったのだが、

 

先輩社員からちょっとした指摘を受けた。

 

「今の説明だと不十分だね。~~という説明が必要だよね」

 

ちょっとした指摘である。

 

だが、私は頭では違うと分かっていても、無意識のうちに「怒られた」と感じてしまった。

 

 

私はこういう人間なのである。

 

ちょっとした指摘やアドバイスを受けた時、「怒られた」と感じてしまうのだ。

 

他人の発言にひどく敏感なのである。

 

そして勝手に傷つくのである。

 

 

他人の言動に対する感度

ここでカウンセラーが質問。

 

「そのようなことを言われたら、誰しも多少は傷つくのではないですか」

 

私は答えた。

 

「自分の周りを見ていると、確かに同じように傷つく人もいますが、傷ついていないように見える人もいます。

 

自分の場合は他人の言動に対する感度が他人より高いのだと思います。

 

感度が低い人が傷ついていないように見えるのだと思います」

 

カウンセラーが言う。

 

「確かにそうかもしれませんね。ではなぜそのように敏感なのでしょうか」

 

 

なぜ変わろうとしないのか

なぜ自分は他人の言動に敏感なのか。

 

これには確固たる理由がある。

 

ひとえに私の父親が原因である。

 

 

 

私の父親は癇癪持ちで、周囲が自分の思うように動いてくれないと怒鳴り散らす。

 

そんなの大したことじゃないだろ、というようなちょっとしたことでもひどく怒る。

 

些細なことでもひどく怒られた。

 

 

 

そのような環境で育った自分は、些細なことでも怒られるのではないかといつも気にしている。

 

そして、ちょっとしたことでも、父親のように大げさに捉えてしまう。

 

私は父親とは違い、怒鳴り散らすのではなく、ひどく落ち込んでしまう。

 

 

そのような話をカウンセラーにした。

 

すると、次のカウンセラーの一言にハッとさせられた。

 

「そこまで自分のことを分析できているのに、なぜ変わろうとしないのですか」

 

 

 

すべては父親のせい

私は自分の感情を客観的に分析して、なぜそのような感情を抱くのかをよく考える方だと思う。

 

主治医やカウンセラーにも、よく分析している方だと言われるから本当にそうなのだろう。

 

なぜ自分は落ち込みやすいのか。

 

なぜ怒られたと思ってしまうのか。

 

そういったことをよく考える。

 

そして行きつく答えはいつも同じである。

 

 

「いつも怒鳴り散らす父親に育てられたからだ」

 

 

おそらくこれは間違ったことは言っていないはずである。

 

カウンセラーも「確かにその通りだと思います」と言っていた。

 

 

しかし、カウンセラーの一言にハッとさせられた。

 

 

 

じゃあなぜ変わろうとしないのか。

 

 

 

そこは考えたことがなかった。

 

考えようとしなかったのかもしれない。

 

なぜだろう。

 

ありとあらゆる自分の性格の歪みを父親のせいにして、そこから変わろうとしなかった。

 

 

 

そこで今まで質問しかしなかったカウンセラーが初めて自分の意見を言った。

 

 

 

「あなたはお父さんのことが本当は好きなのだと思います」

 

 

父親のことをどう思っているのか

確かに昔は父親のことが好きだった。

 

しかし、中学3年生くらいから父親の性格の悪い面に気が付くようになり、

 

徐々に尊敬できなくなっていった。

 

今では、父親のことをどこか否定的に見ており、

 

距離を置いている。

 

 

そんな父親のことを今でも好きなのだろうか。

 

 

まさかそんなことを言われるとは。

 

 

 

その後、カウンセラーとは、父親のことをいつから尊敬できなくなったのかといった話をした。

 

正直その後の内容はあまり覚えていない。

 

 

 

 

 

続きは2週間後。